夏休みの英語学習

夏休み,といっても受験生対象のはなし。しかも英語のみ。

まもなく夏休みが始まります。塾・予備校ではすでに1学期が終わっているところが多いでしょう。

夏休みですべてが決まると,なかば脅迫めいたことばをよく聞かされて,うんざりしている人もやる気満々になっている人もいると思います。現実的に言えば,そんなに深刻になる必要はないですが,2学期にどれくらい伸びる可能性ができるかは夏休みで決まってしまうでしょう。すべては決まらないけれど,夏休みが終わった時点でのチカラで,その後,最大どこまで伸びるかはだいたい判断できるようです。

 

夏休みになんとなくボーッと突入すると,あっという間に日はどんどん過ぎていき,焦る気持ちだけが募ります。どう過ごすのか,早めに考えておいてください。

ただし,先に言っておきますが,夏休みにメチャクチャがんばったからといって,夏の終わりには成績が飛躍的に伸びているという可能性はそれほど多くありません。努力が成績に結びつくには時間がかかるからです。ですから,得点にそれほどこだわらず,そのうち結果につながることを信じて,めげずに続けてください。夏にやったことはゼッタイにムダになりません。

 

● 好きになる

夏休みに限ったことではないですが,勉強が続けられるかどうかは,勉強が・その科目が・勉強している自分が好きになれるかどうかです。いやいややっているのなら,伸びるはずも続くはずもありません。極論すれば,そういう人は一年浪人する覚悟をして自分を見つめ直した方がいいでしょう。

好きになるというのは,その科目が好きになることだけに限りません。勉強をちょっとでいいから,「楽しい・おもしろい」と思えるようになることです。友だちとの競争でもいいし,「あいつもがんばってるみたいだから,俺も」というというライバル心でもいい。不純な動機でもいいし,もちろん自分が歩むべき道が見えてくるという啓示的体験でもいい。何か心の底から「よーしっ!」とエネルギーが湧き出てくるような経験をこの夏の間にできれば大収穫でしょう。

 

● ノルマ消化型ではなく,目標設定型に

夏休みの大半が,予備校や高校の講習のスケジュールでうまっている人は,それをこなすのでいっぱいいっぱいでしょう。それはそれでいいのですが,そういう人も,そうではなくて,「このテキストとあのテキストをこなして...」という計画を立てている人も,スケジュールをこなすことに目がいってしまい,その授業・そのテキストで何を身につけるべきだったのかを見失いがちです。計画をこなすことしか頭にないと,こなしたという自己満足しか得られないことが多いです。満足もだいじなことではありますが,もっとだいじなのはどういう力がついたのかです。授業を受けた,テキストをやりとげたということにとどまらす,自分が何がわかっていて,何がわからないのか,わかっているけどできないことは何なのか,その辺をきちんとわかるようになるだけでも,かなりの実力がついた証明です。勉強するとわからないことが増えるというのもよくあるパターンで,それは悪いことではありません。

 

● 長期計画よりも中期計画を

計画というものは,もともとうまくいかないのが当たり前です。特に,今まで計画なんてあまり立てたことがないという人はなおさらでしょう。8月31日まできっちり計画を立てても,どうせ途中でズレて来ます。だから夏休み全体についてはおおまかな目標を掲げておき,こまかい計画は1週間から10日ぐらいの単位で立てて,それが終わったら次の期の計画を立てなおすという方が現実的で消化しやすいだろうと思います。

 

● 苦手・不得意な人は毎日英語を

勉強は「毎日少しずつ」型と「短期間に集中的に」型の2種類のやり方がありますが,苦手な人は前者のやり方で,毎日1~2時間ずつ英語をやっていくのがいいでしょう。文法と単語・熟語を中心にして,読解は講習メインにするのがいいでしょう。

2学期からは読解重点にしなければならないので,文法は夏休みにひととおり終わらせておくことが前提です。

 

● 得意な人は,集中的に

上で「毎日少しずつ」型と「短期集中」型に分けましたが,短期集中だけでいいというわけではありません。英語が得意な人は「毎日少しずつ」やりつつ,かつ夏休み中に 5 ~ 7 日程度の集中英語学習期間☓2回 くらいは時間を割きたいですね。英語が得意な人ほど実力は伸びにくいものです。だからこそ,英語漬け期間が必要なのです。その際,自分の志望大学の出題傾向とは関係なく,リスニングや英作文も手をつけてください。特にふだんそれらをやっていない人は,読解や文法の面でも意外な収穫があるはずです。

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