パターンで書く自由英作文 【合格最低ラインを狙う】

ここで取り上げるのは,大学入試の自由英作文問題という,時間と語彙力・表現力が限定されている中で,合格最低レベルでいいから何とか答案を仕上げたい,と思っている人へのアドバイスです。

模試などで採点をやってみると,ごくごく少数ながら「おっ,これはおもしろい」という答案に出会うこともあります。そういう英文を書く力のある人,そういうレベルを目指す人には,このアドバイスはあまり参考にならないでしょう。でも,それはごく少数なので,大多数の人には何らかのヒントにはなるのでは?と思います。

 

大学入試の自由英作文には,大きく分けると

  1. 「~という問題に関して賛成か反対か」のような,あるテーマに関する意見を書くタイプの問題(論説型)
  2. 「今まで読んだ(見た)うちでいちばん感動した本(映画)について」のような,自分の感じたこと・思ったことを書くタイプの問題(随筆型)

という2つのタイプがあります(1 と 2 の中間みたいなものもあります)。いい文章を書こうと思ったら,1 では,結論を導くまでの論理性(読み手を説得する力)が問われますが,2 ではアイデアやストーリーや文才(読み手に共感させる力)が問われます。2 でも共感してもらうためには非論理的であってはいけないので,論理性以上のものが求められる 2 のタイプの方がほんとうはむずかしいのですが,それはあくまでも「いい文章を書くには」という話なので,大学入試の自由英作でそこまでは求められていません。

ここでは,おもに上の 1 のタイプをターゲットにしていますが,2 でも参考にはなると思います。

 

気をつけたいこと

● 問題文をよく読む

これは別の箇所にも書いたので大丈夫だと思いますが念のため。

まず,設問をじっくり読み直して,「何が問われているのか」をきちんと把握すること。たとえば,だいぶ前の問題ですが,次の問題文を読んで何をどう書くか,日本語でいいからちょっと考えてみてください。

環境を守るために,交通機関の発達した都市においては自家用車を全面的に禁止すべきである」という意見に対して,あなたはどのように考えますか。賛成,反対のどちらかの立場から,70語程度の英文で論じなさい。

どんな文章を書きますか?

ここで考えたいのは,あなたの意見ではなく,その前に「あなたの意見が問題条件を満たしているか」です。この問題が前提としていることは,

  1. この施策の目的が環境保護であること
  2. 「交通機関の発達した都市」,つまり自動車以外の交通機関は完備されていること
  3. 「自家用車」規制であること,つまりトラック・バス・タクシー・パトカー・救急車・消防車などは含まれないこと
  4. 「全面的禁止」であること

です。従って,「移動に不便」という意見は,他の交通機関があるのだから成り立たず,「全面禁止にすると経済が衰退してしまう」「緊急時に不便」というような作文はトラックや緊急車両・タクシーが入っていないので弱いでしょう。そうした答案は問題条件をクリアできていないのでかなりの確率で0点になります。逆に「自家用車禁止だけでは環境保護にならない」という意見なら,問題条件は満たしていることになります(もっともその証拠を挙げなければならないのでむずかしいですが)。短い問題文にも,意外にいろんな前提条件が隠れているものです。

 

● いきなり書き始めない

これも大丈夫ですよね。

「書き始める前にメモを取ろう」ということです。「時間が足りないんだから,メモなんか作ってらんない」と思っている人,それは逆です。ノープランで書き始めても,途中でつかえてしまうことは目に見えています。英語混じりの日本語でいいのでメモを作りながら,アイデアを練りましょう。英語はある程度書けるがメモを取るのが苦手,という人はメモを取る練習だけでもやっておけばずいぶんと差が出ます。

まず思いついたポイントを列挙し,それらのポイント間の関係を考え(ポイントBはAの理由だとか,ポイントCはDの例だとか)て,並べ換えたり差し替えたりします。さらにそのポイントを言うためにはこれも言っておかなきゃ,というような点も付け加えていきます。そうやって全体像を組み立ててから英文を書き始めれば,時間的にも効率的です。とはいっても,メモを取るには最低でも5分はかかるし,かけるべきですから,全体の時間配分の中でこの「メモ取り用の時間」を計算に入れておかなければなりません。

 

● 結論は最初に

これはほんとうは自由英作文の語数やテーマによっても,あなたのウデによっても変わってきます。別に最初に結論を言わなきゃダメ,というわけではないのですが,英文の論理展開の基本的パターンは「最初の方で文章全体の方向性を示しておく」というものであり,こうすることによって読みやすく,言い換えれば得点の取りやすい文章になります。

日本人が書く文章は,まずあれやこれやさまざまな観点を取り上げた上で,最後に結論をまとめる,というパターンがけっこう多いのですが,英文はまず「これから言うことは,~を説明したいからだ」「わたしは~だと思う。それをこれから詳しく述べよう」という内容の文をはじめの方に示しておくことで,読者に議論の行き先を見せておくことが多いのです。でも今の文をそのまま書く必要はありませんよ。方向性の示し方は,「~である」「~だと思う」でもいいですし,「ほんとうに~なのだろうか?」「・・・と一般には思われているが,実は~だ」「~であると考えべき理由がいくつかある」「~だと考えざるを得ない」などなどいっぱいあります。

パターンをぶっ壊す文章はおもしろいし,うまくいけば「目立つ答案」になるのですが,文章力がないとグダグダになってしまいます。パターンをぶっ壊すパターンについては後で考えてみましょう。

 

● 内容的にブレない

上でも述べたように,日本人好みのエッセイは,断言を避け,行間や余韻で勝負するというタイプの文章でしょう。英文でも文学的文章を書くのであればそれも戦略のうちですが,論説文,しかも大学入試の自由英作ではテクニックを使う必要も時間もないでしょう。日本人の書くエッセイはプロのエッセイストの文章であっても,英訳するとネイティブにとっては「わけがわからん」ということになりがちです。

だとすれば,最初に結論的な断言をして方向性を決めたら,その後でその断言の効果を薄めるような文を入れてしまうと方向がブレてしまい,少なくともネイティブにとっては読みにくい文になってしまいます。特に与えられた語数が少なければ,一直線にたたみかけるしかないでしょう。

逆に,一見,最初の方向性と矛盾するように見える内容をあえて入れて,それを反駁・否定することで自分の主張を強化することは有効です。有効どころか強い主張ができるのでおすすめです。

 

● 1文1文のつながりを考える

簡単にいえば,文を羅列するな,できるだけつなぎ言葉でつなげ,ということです。

これはかんたんそうに見えて,実はけっこうむずかしいことです。思いついた2つの文をつなぎ言葉でつなごうとすると,そこには論理的な整合性が必要になります。「あなたが何を感じたか」ではなく,「あなたが何を考え,どのようにしてそれを人に伝え,説得するのか」が問われるのです。大げさに言えば,つなぎ言葉を考えるということが,あなたの文章の全体の流れを作る,言い換えると論理的文章を書くとは,つなぎ言葉を考えること(それを実際に書き記すかどうかは別にして)に等しいと言えるでしょう。

 

● オリジナリティは必要か?

生徒の答案を見ていても,オリジナルな答案は100に1つもありません。内容的にも,英文の文体的にも個性を発揮する必要はありません。出題者もそれを期待してはいません。出題者が期待しているのは,筋の通った意見を正しい英語で書くことです。

でも,オリジナリティに出すことに成功すれば,得点的にも有利だし,精神的にも充実感が得られますよね(入試でそんなもの...)。もし課題があなたがふだんから考えていたこととたまたま一致していれば,チャレンジしてもいいでしょう。ただし,オリジナルな内容というのは,ありきたりの内容よりも多くの言葉を費やさなければ相手を説得できないというハードルがあります。それを覚悟しておいてください。

唯一安全で,かつオススメのオリジナリティ発揮法は,実体験を書くことです。体験でなくても,読んだ本・聞いた話・見たテレビなどでもかまわないでしょう。経験に引き寄せて書くことで,抽象的で退屈な文章が一気に生き生きしたり,引き締まったりすることはよくあります。採点者も楽しめます。入れられればぜひトライしてみてください。

 

● 読み返す!

書き終えたらあまり時間は残っていないでしょう。でも,内容はともかく,最低,英文としてのチェックはしてください。自分の英語を,正誤問題の英語のつもりで間違いを探すことです。主語と動詞は対応しているか,動詞の活用はあっているか,more better なんて書いていないか,そういう中学生でもわかるはずのミスは優秀な生徒でもするものです。そしてそういうミスがいちばん大きな減点の対象になります。

 

● もし課題英文が理解できなかったら?

課題の英文がまったく理解できないのであれば,時間のむだですから,とっとと別の問題に移ってそちらで稼ぐしかありません。「たぶんこういうことを求められているのだと思う。そしてそれなら書けそうだ」というのであればチャレンジしよう。

 

書くことが思い浮かばなかったら

英語が何とか書ける人なら結局はアイデアが浮かぶかどうかが勝負になります。基本的にこの辺のことは日本語で書く「小論文」と大差ありません。小論慣れしている人なら言うまでもないことかもしれませんが,触れておきましょう。

同じことを同じ表現で繰り返さない → 表現を変える

生徒の答案を見ていると,おそらく書くことが思い浮かばなかったのでしょう,ほとんど同じことを2回,3回と書く人が時々います。どうしても思い浮かばないのなら,せめて単語を変え,言い回しを変えてください。

 

topic sentence だけ・詳述部分なし・理由のいいっぱなし を避ける

「1つだけ書くことが思い浮かんだけれど,それ以上思い浮かばない」という人がいますが,1つ思い浮かんだなら,それを突破口にして書くべきことはずらずらと出てきます。

  1. それを言うためには,どんな条件が必要か? 
  2. その理由だけで大丈夫か?理由の理由は書かなくていいか?
  3. 自分の意見は実行可能か?実行すると弊害が出ないか?弊害の解決策はあるか?
  4. それにはどんな反論が出そうか?反論への再反論はどうしたらいいか?

などなど,1つのアイデアをふくらませることはいくらでも可能です。

たとえば,さっきの「大都会での自家用車禁止」の問題で,かりにこれに対してあなたは賛成だとして,その理由が「自家用車禁止は環境にいいから」ということしか思い浮かばなかったとします。それをどうふくらませたらいいでしょうか?

1. の「自家用車禁止は環境にいいから」の条件としては,当たり前だけど「自動車の排気ガスはCO2を大量に含み,地球温暖化の大きな原因になっている」ということに触れておいた方がいいでしょうし(『理由の理由』でもある),3 の実行可能性に関しては,「自家用車禁止なら経済活動に大きな影響は出ない,なぜなら代替交通機関がある。従って実現しやすい」とか,「手始めに部分的禁止からスタートして,徐々に拡大していく方法がよい」とか。こんな感じでふくらんでいきますよね。

 

● 自分の意見とは逆意見(架空の論争相手)を想定する

今挙げた 4. にもありますが,予想される反論を意識することは非常にだいじだし,論理的文章を組み立てる上で有効です。それを反駁することによって,あなたの議論はかなり強固なものになるはずです。

たとえば,今の「自家用車禁止問題」であなたは反対だとします。その上で,自分とは対立する意見を想定します。おそらく,上の「CO2がどうたら...で,環境問題はどうするんだ」という反論が出るでしょう。それへの再反論を考えてみてください。どうなるでしょう。

確かに代替交通機関(電車・バス)が使えるから,禁止しても通勤通学に不便にはならない。でも待てよ。もともと通勤通学に自家用車を使う人は都会にはあまりいないはず。平日にクルマで移動するのは社長さんとか政治家とか芸能人とかだけど,そういう人は自家用車を会社の社用車・公用車にすれば使い続けられるかも。ということは逆に「自家用車禁止」を実行してもクルマの台数はあんまり変わらない?つまり,環境面での効果は少ないのでは?週末はクルマで遊びに行く人もいるが,そうなると「自動車禁止法」は庶民のレジャーを制限しているだけじゃないの? .....

なんていう反論が考えられます。

ただし,「予想される反論」を書く時はそれが自分の意見でないことを示す合図が必要です。Some people may say that … のように,他人が述べていることを明示したり,It is true that …, but ~, Certainly … , but ~, It would seem that … . However, ~ のような譲歩表現をうまく使ってください。

 

●  対案を提起する

先ほどの「自家用車前禁止」問題で,「部分的禁止からスタートする」というのを挙げましたが,これが対案です。問題は「全面的な禁止」ですが,あなたが賛成派なら「部分的禁止からスタートする」という書き方,反対派なら,「部分的禁止にとどめる」(オリンピックの時の北京のようにナンバーごと,韓国のように「ノー・マイカーデー」を作る)という具合に賛成反対どちらにも使えます。

ただし,「賛成か反対か」を聞かれている場合には,対案に重点を置きすぎて書いてはまずいでしょう。あくまでも賛成・反対論に重点を置き,「こういう案ならば賛成できるが...」という書き方にしてください。

 

● 実例・経験・見聞を議論に組み込む

☆ 実例を挙げて論証・説明・描写することはすべてのタイプの問題で有効ですし,必要でもあります。For example, for instance 「たとえば」,Take ~ as an example. 「例として~を取り上げてみよう」を使って,話を具体化することで明確で誤解のない文章に仕上げることができます。

☆ 経験を入れるのも実例の一種ですが,自分の身に引き寄せて書くわけですから,頭でっかちな議論に血が通い,文章はぐっと生き生きしてきます。採点していると,同じような答案がつづいてうんざりするものですが,こういう体験に基づいた文章に出会うと,多少稚拙であってもほっとします。

とはいっても,たかだか18年かそこらの経験など限られていますから,いつも使える手ではないかも。「地球温暖化とわたしの経験」を考えたところで,何かの環境活動に参加している人以外はあまり実感が湧かないでしょうし,「最近暑くなった気がする」程度のことは誰でも感じることですから弱すぎます。

「経験を書く」と言っても,多少なら話を作ってもかまわないでしょう。生きてる親を死んだことにする,なんてのは感心しませんが,「学校一の不良が雨に濡れた捨てられた子犬を抱き上げて...」なんてのはOKです(くさいけど)。

課題が,「高校時代のいちばん印象に残った経験は?」というような実体験がメインになる問題では,逆に具体例の中に抽象論を混ぜるのもいいでしょう。「人間は~なものだ」とか「~な社会の現実に憤りを感じる」のような。I think なんかつけずに,短くスパッと言い切ると効果的です。

☆ 見聞は,実体験というよりも人から聞いた話,本で読んだ,テレビ・映画で見たことなどになりますが,これなら経験よりもずっと広がりますから使いやすいでしょう。「最近のある新聞記事によれば,...」などでもよいし,「おじいさんから聞いた話」なんてのは採点者は好きそうですね。本や映画の題名を明示してかまいません("Norway no mori (Norwegian Wood)" のように英訳つきがいい)。

 

● 最終部の結論は必ずしも必要ではない

これも語数稼ぎのためか,最後に最初と同じことを書いて結論にする人が非常に多いようです。最初に書いてあるのであれば,最後で繰り返す必要はありません。

 

 

こまかい注意点

● I think を多用しない 

会話において「日本人は I think を使いすぎる」という意見が時々出されます。日本人は礼儀上,断言するのを避ける傾向があるといわれますが,I think を使うことによって,語調を緩和したいのでしょう。書く時にもこの傾向が見られます。100語程度の英文に何回も I think を使う人がいますが,頻繁に使うとよっぽど自信がないのか思われたり,逆に「俺は俺は」とうるさく聞こえたりします。使いたければ1回で十分です。自由英作文はもともとあなたの意見を書くものであり,I think といわなくてもそれがあなたの考えであることは分かりきっているからです。

どうしても使いたければ,表現を変えましょう。 I guess, I believe, I’m sure, I hope, I’m afraid, I cannot help thinking, It is possible to say, we must say, It seems to me,  など,使える表現はヤマのようにあります。

 

● 設問が Do you think …? であっても,Yes, I do. / No, I don’t. はいらない

自由英作文は英語で書く「小論文」のようなものです。会話ではありません(会話文の自由英作もありますが,それはまた別の話)。

問題の中には,英語の長文の一部が空白になっていて,そこを自由英作するという問題もありますが,そういう問題以外は,第三者があなたの答案だけを読んでもその主張が十分理解できる,というような書き方になっているのが理想です。つまり,あなたの英文はそれだけで自立した文章になるように書くべきでしょう。

 

● 意味なく改行をしない

一文ごとに行を変えて書く人がいます。本人は読みやすくするつもりかもしれませんが,行を変えるということはパラグラフを変えるということです。パラグラフを変えるということは,前のパラグラフとは違うトピックを述べるということです。数十語程度の自由英作なら one paragraph しか作れないでしょう。その場合は行を変えることはできません。

 

● Because S + V. だけの文を作らない

これはどんな教師でも口を酸っぱくして言っていることなので知ってると思いますが,because は,if, when と同様の従位接続詞なので,because S + V だけでは文を作れません。中学で最初にbecauseを教わった時のような Why .. ? という疑問文に対して,Because S + V. だけで答えるのはOKです。でも,それ以外は危険だと考えてください。

☓ He was absent from school yesterday. Because he had  a fever.

解決策は,

(1)  ピリオドで切らず,カンマにして前文とつなげる

He was absent from school yesterday, because he had  a fever.

(2) because S + V の前に That is や This is をつける。

He was absent from school yesterday. That’s because he had  a fever.

特に(2) はなかなか使い勝手がいいですよ。

 

答案の組み立て

どうやって答案を作り上げるかを具体的に考えてみます。例題は,一橋大その他に出ている「日本において死刑を廃止すべきか?」ということにしてみましょう。これをネタに,メモから執筆まで具体例を使って考えます。説明の都合上日本語にしておきます。

共通戦略

試験前の段階で,過去問を使ってあらかじめ時間配分をしておいてください。自由英作問題全体にどれくらい時間がとれるか。長文とセットで出される大学なら,そのうち問題理解にどれくらいかかるか。残り時間が,メモ時間+執筆時間+見直し時間 になります。

メモ時間は最低で5分,最大(英文を書くこと自体には自信がある人)で自由英作全体に割り当てられる時間の40%程度。綿密なメモをとれれば書く時間は少なくてすみます。

メモは2段階に分けて考えますが,慣れている人やアイデアがバンバン浮かぶ人は2つの段階をまとめてやってしまってもいいでしょう。

段階 1

とにかく,ひたすら思いついたことを書きなぐる。順序はどうでもいい。英単語混じりでもいいし,日本語オンリーでもよい。文にする必要もない。

段階 2

段階 1 のメモを整理する。メモのうち,どれとどれに共通点があるかを探します。それがどのような意味で共通しているのか,共通のタイトルをつけるとしたら,どういうタイトルの下にまとまるのかを考えます。

だいたいまとまり方が決まったら,どんな順番に並べるかを考えてください。そして,どういうつなぎ言葉でつないでいくか,そこまで見えてきたら,最後の英語化段階に突入です。

実際には,メモ段階から執筆段階へ移行した後も,論旨の弱点が見つかったりして,メモ段階に戻らなければならないこともあります。そのへんの勘どころは経験的に体得していくしかないでしょう。時間と相談しながら臨機応変に。

 

戦略 1

生徒がいちばんよく使う手といってもいいのがこれ。

  • まず結論
  • 「第一に」( First, )を置いて理由1。このあとに理由1の詳述部・理由の理由・実例などがつづく
  • 「第二に」( Second, )を置いて理由2。このあとにも理由2のサポート部分がつづく

芸はないけど,単純なだけに応用は利く。

 

戦略 2

  • まず結論
  • 先に対立意見を紹介する
  • その対立意見を反論する形で,自分の意見(と理由,実例など)を書く

先に,自分と意見が異なる人の意見や,世間で常識とされていることなどを紹介し,譲歩できるところは譲歩した上で自分の議論に持って行く。ここでも「第一に」「第二に」型を使ってもいいが ,これならポイントが1つしか思い浮かばなくても書ける点が便利。

 

戦略 3

多少だけど受験生的パターンを壊すパターン。

  • 体験・見聞・実例から始める
  • それを「つかみ」にして本題に入る
  • 本題の最初に方向性を示す
  • もちろん,理由などのサポートは必要

例では,最後に対案提示をしてみましたが,それ以外のやり方もいろいろあります。戦略1・戦略2よりは,経験が必要です。試験場ではじめて使うのはリスクが伴うかも,です。

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