"パラッパッパッパー, i’m loving it. " ( ONE POINT at a time 1)

= 状態動詞の進行形 (ややハイレベル)

英語の動詞は,通常 (1) 動作動詞 と (2) 状態動詞 に分けられ,状態動詞は進行形で用いることができないという特徴をもちます。

状態動詞とは,

  • もともと継続的な状態(一時的でない)を表す動詞 be, resemble (似ている), have (持っている) など
  • 心理状態を表す動詞 know, like, love, want, think など
  • 無意志の知覚を表す動詞 see, hear など  リストはここ

× I am having a book. とか × I am knowing him. とかいう文は耳にしたはずはないのでわかりやすいと思いますが,最後の see, hear は「あれっ,言えるんじゃないの。今~を見てる,とか。」と思う人もいるかもしれません。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五つの知覚を示す動詞を知覚動詞と言いますが,実はこれには2種類あって,たとえば「見る」は,look at ~ と see の二つありますが,look at は有意志知覚,つまり「見ようと思ってみる」(意志を伴う)ですが,see は無意志知覚,つまり「見ようと思ったわけではないが見えてしまう」(意志を伴わない)という性質を持つ動詞です。有意志知覚は進行形にすることができるが,無意志知覚は進行形にできないのです。

ここまでは,基礎レベル。

さて,こうした進行形にできない状態動詞も,無理やりにというか,強引に進行形にする場合があります。

(1) 一見状態動詞に見えるが,実は状態動詞でない

  • We are having a good time.  (楽しく過ごしています)
  • Tom is seeing a lot of her these days. (トムは最近彼女とよく会っている)
  • Tom is being a fool. ((いつもとちがって今日は)トムはバカやっている)

どちらも have, see, be の元の意味とは違っています。have a good time = enjoy oneself, see a lot of = often meet, be = behave as と書き換えられますが,=の右辺は進行形にできるわけで,したがって左辺も進行形にしてよいわけです。

(2) その状態が一時的であることを強調する場合

上の(1)の例文の3個めをこれに入れてもかまいません。

  • She is volatile. She’s now thinking that you shouldn’t do that. (彼女は気が変わりやすい。今では,それをやっちゃダメだと思ってるよ。)

(3) 変化を表している

  • I’m seeing it better.  ((さっきよりもだいぶ)よく見えるようになってるよ)
  • He is understanding it better now. ((昔より)彼も今ではわかってきている)

(4) 主語が I で,自分の心理状態を相手に実況中継するような感じ

  • At last, I am seeing the Mona Lisa. (ついにあのモナリザをこの目で見てるんです)

 

ただし,これらを実際に会話や英作文などで使うのは危険が伴います。かなり微妙なニュアンスの問題ですし,上のような場合でも進行形が不自然な動詞もあります。

ところで,表題のマクドナルド (McDonald’s)のCMの文句。これはマクドナルドの全世界チェーン共通の文句らしく,もちろんアメリカのマックも使っています。love は通常進行形にしない心理状態を表す動詞ですが,ここでは進行形ですね。上のどれかというとやはり(4)でしょうか。「今,マックに夢中」という意味でしょうね。(2)と解釈してもいいですが,別に「今だけ」を強調しているわけではなくて(それだと,「ふだんはモス・バーガーのファンだけど」ってことになる),「今ハマっている」「今の私のマイブーム」というのを強調することになります。

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