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大学入試と英語学習のバックアップ・サイト

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イギリス人が文法的誤りだと考える20の例(1)

9月
2008
9
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イギリスの BBC News が less と fewer の誤用について取り上げていたことは,前にチョコッと触れましたが,そのフォローアップ記事が出ています。「わたしの気に入らない,最近よく見かける文法的誤り」という体の,読者から寄せられた声が20ほど載っているのですが,「それよく言われるよね」というものもあり,ちょっと意外なものもありで,なかなか興味深いです。投稿者はイギリス在住の人が多いですが,中にはドイツやスウェーデン在住の人も。言語的バックグラウンドはわかりませんが。

以下,かいつまむと,

1. have とすべきところを of にする

これは日本人はまずやらない間違いです。音声からことばを学んだ場合にしか起きない間違いだからです。

たいていの場合この間違いは could have … とか should have … などで, h の音が脱落して /kʊdəv/, /ʃʊdəv/となり,/əv/の部分がof と同じ発音になるために起きます。昔,Faulkner (だったかな?)の小説を読んでいると,登場人物のセリフが should of … と書かれていたのを読んだことがありますが,これもちょっと卑俗な英語をそのまま書写してた形になっています。

 

2. for nothing とすべきところを for free にする

えっ,いけなかったの,という感じです。どちらも「ただで」という意味です。イギリス系の辞書にも出ています。わたしとしては却下。

 

3. 12 pm という表現

正午は午前でも午後でもないという理屈。

pm(p.m., P.M., PM とも表記)は,ラテン語の post meridiem の略(post = after, meridiem = noon)で,am は ante meridiem (ante = before)の略です。12時は,noon そのものだから,beforeでもafterでもないというわけ。ごもっとも。

ごもっともだけど,まあいいんじゃないですか。ほかの時刻にあわせてるだけだし。 

 

4. 動詞 affect と effect の混乱

これはだいじ,かな。

名詞 effect は「効果・影響」。この意味に対応する動詞「影響を与える」は affect です。でも,effect は動詞にも使えて,その場合の意味は「~を引き起こす」という意味。投稿者が使っている例では,

☓ You affect a change in something.

☓ You are effected by something.

などは,それぞれ逆でなければなりません。

 

5. 頭字語(CD とか UFO とか NATO)の複数は,CD’s じゃなくて CDs

うーん,これはどっちでもいい,というのが大勢だと思うけど。Practical English Usage (Michael Swan)の日本語版だと,「略語の複数形の s の前に,ときには,省略符号の (’) を置くことがある。としています。MP’s または MPs; CD’s または CDs 」

「現代英文法講義」(安藤貞雄)では, 「-’s をつけるのが原則であるが,アポストロフィー(’s) をつけないのが最近の傾向」とあります。

 

6. me とすべきところを I にする

ネイティブでもこんな間違いするの?というレベル。

挙がっている例は,

☓ She said some very kind things about George and I.

大学入試の正誤問題で出る場合もこのパターンです。つまり,前置詞 + A and me とすべきなのに,me を I にして間違いを探させる問題。前置詞と離れているぶん気づきにくいわけです。

 

7. you, me にすべきところを yourself, myself にする

再帰代名詞の使える場所については,生成文法でこまかくルール化されていますし,伝統文法でも「主語と目的語が同じものを指す場合」と説明されているはずです。

He1 killed him2. He と him は別人。

He1 killed himself1. Heは自殺した。

yourself や myself で間違えるのは,日本人はしそうにないですね。

 

8. None は単数扱いにすべき

もともとは not + one だから,というのが理屈ですが,現代では,複数扱いも許されていますし,そちらが多いかもしれません。

 

9. different from, compared with とすべきところを to にする

アメリカではむしろ different than が結構多いですね。to を使うのはイギリス用法と辞書にありますが,from が無難なのは確かでしょう。

compared with ←→ to  はとくに過去分詞の後ろではどちらもよく使われています。本来は投稿者の言うとおりですが,もはや to も正用法になっていると,わたしは思います。(BBC は「withを原則とする」と言っています)ただし,「たとえる」の意味では,compare A to B がふつう。

 

10. they opened fire on us でなくて,they open-fired on us が正しい

これは投稿者によれば,軍事用語としては敵に対する射撃は2種類あって,うんぬん。辞書引いても出てこないのでググってみると,イギリスの軍事関係掲示板みたいなところで,この投稿自体が「ほんとかよ」というような議論になっていました。まあ却下しておきます。誤りだとしても,文法的誤りではなくて,語彙上の問題だし。

 

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by rickie | Posted in 英語の落としもの | No Comments »

less or fewer

9月
2008
1
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Language Log からのめっけもん。

イギリスのスーパーの宣伝で,実際にちょっとした話題になっているとか。スーパーはこの “10 items or less” という宣伝文句が「言語学的議論に巻き込まれるのを避けるため」, “up to 10 items” という文句に変えるそうです。

ニュースは, BBC News

 

もちろん,items は可算名詞なので,fewer が正しいわけですが,ここでおもしろいのはネイティブでもけっこう間違える,というよりそれほど不自然に感じるわけではない,ということでしょうか。キャプションには「わたしは英語専攻だったもので。」とありますから,英語にうるさくなければ気にしない表現,ということでもあります。

この「間違い」は時々見かける気がします。そして,可算なのに less を使うのは見かけますが,不可算なのに fewer を使うのは見かけないような気が。no less than + 可算名詞 も多いかな。

 

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by rickie | Posted in 英語の落としもの | No Comments »

大統領になったあかつきには,…

7月
2008
17
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言語学者集団が寄稿する Language Log というブログ(英語)があって,そこで見つけた記事のはなし。

ことはアメリカの大統領選と環境問題とカリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)に絡む。シュワちゃん(この言い方好きじゃないけど長すぎなので)がテレビインタビューでした発言が話題になっている。7月13日に載ったニューヨークタイムズの記事で引用すると以下のとおり。

That apparently prompted George Stephanopoulos, the moderator of "This Week," to ask Mr. Schwarzenegger whether he would take a phone call from Mr. Obama if he was calling with an offer to be his energy and environment czar.

"I’d take his call now, and I’d take his call when he’s president — any time," Mr. Schwarzenegger said. "Remember, no matter who is president, I don’t see this as a political thing. I see this as we always have to help, no matter what the administration is."

 

そうしたことに促されたかのように,"This Week"(ABCのテレビ番組)の司会者である George Stephanopoulos は,シュワルツェネッガー氏に,もしオバマ氏から,エネルギー・環境問題の責任者になってくれないかという申し出の電話が来たら,あなたは受けるかどうか尋ねた。

「今でも受けるし,大統領になった時でも受けますよ。いつでもね。」とシュワルツェネッガー氏は言った。「忘れないでほしいんだが,誰が大統領になろうと,このこと(環境問題)が政治的問題だとは思わないんですよ。政府がどうだろうと,助力しなければいけないことだと思うんです。」(下線はわたし)

シュワちゃんは共和党であり,共和党は George W. Bush を筆頭に環境問題に熱心ではないというイメージがあるが,その中にあってシュワちゃんはやけに熱心らしいという背景がある。もちろん彼は Obama ではなく,McCain 支持でもある。だからこの発言がとりあげられた。だが,言語学者が問題にしているのはもちろんそっちじゃない。 おわかりかもしれないが,問題は下線部の when の用法で,when he’s president と言ってしまうと,オバマが大統領になることがすでに予定されていることになってしまうのではないか,いちおう McCain支持なんだから,ここは if じゃないの?ということだ。Language Log を引用すると,

This use of when instead of if struck me as unfortunate, and my first thought was that it might be the result of interference from Schwarzenegger’s native German, where wenn can serve as the equivalent of English if or when.

if ではなく when をこのように使うことは私には適切だとは思えなかった。最初に思い浮かんだのは,シュワルツェネッガーの母語であるドイツ語が干渉した結果ではないかということだ。ドイツ語では,英語の if と when 両方に相当するはたらきができるものとして wenn (ヴェン)がある。

ブログ記事はこのあとドイツ語との比較分析が続き,コメント欄でも,うがちすぎだとか,いやちがうとか,関係ない意見も含め,いろいろな意見が寄せられている。「ちょっとした言い間違いが母語話者と同じような分析を受けるなんて,第二言語話者としては名誉だ」というコメントあたりには同感できる。

when と if の違いについては,たとえば「ウィズダム英和辞典」では,

when と if 未来の事柄について確定的であれば when を用いるが,確定的でなければ if を用いる。「彼が来たらそういってください」という場合,Tell him so when he comes. と言えば彼が来ることが予定されているが,… if he comes. と言えば彼が来るか来ないかは不確定。習慣的・必然的な事柄についてはいずれも用いられる。▶ When[If] you heat ice, it turns to water.

また,デクラーク(Renaat Declerck)の「現代英文法総論」には,

when 節は,叙実的含意を持つので,条件節を導くのには用いられないことに注意すべきである。

  • I’ll deliver the goods if you pay me. [話し手は,彼が金を払うかどうかに確信を持っていない]
  • I’ll deliver the goods when you pay me. [話し手は,彼が金を払うことを当然と考えている]

とある。

ところでシュワちゃんはどういえばよかったのか。ふつうに考えれば,

  • I will take his call if he becomes president. 直説法 「彼が大統領になれば,受けますよ」
  • I would take his call if he were to become president. 仮定法 「彼が仮りに大統領になったと仮定したら,受けるでしょうね。」

あたりが無難だと思える。前者は客観的に,「この場合はこうする」といった表現になるし,後者だと「あくまでも仮定の話で言えば」という表現になる。

 

ただ気になるのはシュワちゃんの発言は,あくまでも司会者の質問を受けたものだということで,シュワちゃん発言だけを文脈を取っ払って考えてもしょうがない。MC は「もし Obama が大統領になったら」と聞いているのではなく,「もし Obama が電話してきたら」と聞いている。

それを踏まえれば彼の意図は次のようなものではなかったのか。

I would take his call ( if he were calling me ) when he is president.

これとて, if 節を省略して if 節中の when 節が残るというのは文法性に疑問が残るし, he is でいいのかもやや疑問だ。でも,きっとこう言いたかったんじゃないでしょうかね。

 

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by rickie | Posted in 英語の落としもの | No Comments »

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