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『外国語の学び方』『外国語学習法』

5月
2008
10
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著者:渡辺照宏 |出版社:岩波書店(岩波新書)|1962年|絶版|高校生以上・一般向け|独断的おすすめ度 ★★☆☆

著者:千野栄一|出版社:岩波書店(岩波新書)|1986年|735円|高校生以上・一般向け|独断的おすすめ度 ★★★☆

どちらも岩波新書の外国語学習法本。かなり人気を博した「外国語の学び方」(1962 青本)の後継が「外国語学習法」(1986 黄本)で,そのあいだに24年が経過しています。とすれば,そろそろ岩波の次期「学習法本」が出てもいい頃でしょうか。

これらは英語学習法ではなく,外国語学習法です。別に英語は特別な習得法があるわけではありませんが,世の中,英語しか見えていない風潮なので,多言語を身につけた人のことばは大いに聞くべきでしょう。

前々から疑問なのですが,なぜか英語以外,とくに東欧・スラブ系言語の専門家は驚くほど多くの言語を習得している人がいます。今回の本では,渡辺氏はドイツ語・サンスクリット語が専門,千野氏はチェコ語,それ以外でも,黒田龍之助氏はロシア語の専門家。「わたしの外国語学習法」を出している十数カ国語の達人ロンブ・カトーさんと,12カ国語が使えるというピーター・フランクルさんはともにハンガリー出身。作家でも,英語で小説を書いた Nabokov はロシア, Kosinski はポーランド(盗作疑惑もありましたが),フランス語で書いている Kundera はチェコ,Agota Kristof はハンガリー出身です。逆に,英語の専門家にはそういう人が見当たらない気がするのですが(昔は少しいた)。スラブ語ができれば英語なんかちょろい,というわけでもないでしょう。東欧諸国はよきにつけ悪しきにつけ交流が多いから,そして文化的には英・仏・独・旧ソ連などの強い影響を受けているため自国語だけでは自足せず,外国語に触れることが多くて外国語学習意識が高いから,という理由を今でっちあげてみたのですが,でもそれなら日本も似たようなものなのですが。上の4人の作家はみな亡命者・難民ですから,そういう外的な事情ももちろん影響しているでしょう。でも日本人のスラブ専門家たちのポリグロットぶりはどう説明できるんでしょうか。

さて,「外国語の学び方」はすでに絶版のようですが(古本は大量に出回っているはず),確かに音声面の学習ではレコードのリンガフォンの話が出てきたり,時代を感じさせるものもあります。でも,そんなことより,残念ながら今の人の耳に届きそうにないのは,たとえば

  • 自分の日本語能力と同レベルを目指す
  • 1日24時間その言語のことだけを考えて,3ヶ月後にはなんとかなる
  • 書くためには,短い論文や短編小説を丸暗記する

といった,現代人には難しい集中的学習・言語オタク化を暗に前提にしているところでしょうか。べつに批判しているわけではありません。わたしも実は同意見です。千野先生の本では,「1日に6時間ずつ4日やるより,2時間ずつ12日した方がいい」という説が出ていて,これは実証的に正しいらしいのですが,わたしはそれは初心者向けの話であって,学習過程のどの段階かで集中学習が必要になると思っていますし,今では流行らない長文の丸暗記もかなりプラスになると考えています。でも今そんなことを言うと,引いちゃうでしょうね,みんな。

千野本の特徴は,文法重視の教育に対して,語彙力強化をかなり前面に押し出しているところでしょうか。この本の影響なのか,その後の語学学習では語彙面重視は浸透しているようです。アドバイスのいくつかをピックアップすると,

  • 単語は最低レベルの1000語は単語集などで有無を言わせず覚えねばならない
  • その後,辞書を使って何とか本の読める3000語レベルにまでは上げる
  • 語学学習には金と時間が必要
  • 西洋語の基本的活用は表にすれば10ページくらいに収まるので,まずこれを丸ごと覚える
  • 会話上達には,「いささかの軽薄さと内容」が必要
  • 教養のための語学学習は失敗しやすい

などです。ふつうのアドバイスと言えばそれまでですが,ちまたによくあるエキセントリックな内容ではなく,汎用性があるので,読んである種のインスピレーションを受けて自分なりに工夫していくにはいいだろうとおもいます。語学ってふつうにやるしかないと思いますよ,けっきょく。

どちらの本も,中にちりばめられたいろんな人,ひろんな場面のエピソードが魅力になっていますから,読んで損はありません。

 

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by rickie | Posted in いろんな本, 一般の語学学習, 勉強法の勉強 | No Comments »

新年度のNHKラジオ語学講座

3月
2008
26
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来週月曜日,3月31日からNHK語学講座の新年度がスタートします。

新年度は語学講座が大きく模様替えするようです。私はテレビの講座は使わない主義なので,ラジオの方だけフォローしておきます。スペイン,イタリア語も現在視野に入っていないのでパス。

英語以外の講座では,

  • 今まで20分であった英語以外の語学が,英語同様15分になる
  • 旧年度の講座を「アンコール××語講座」として放送
  • 月曜~土曜だったのを,月曜~金曜にする
  • これに伴い,独では月水金が入門,火木が中級。仏では月~水が入門,木金が中級。中露韓では前期(4月~9月)が入門,後期(10月~3月)が中級

明記されていませんが,従来の「入門」,「応用」という区分を,「入門」「中級」に変えた模様です。「入門」レベルと「応用」レベルに差があったので,たぶん「応用」視聴率が低かったのではないかと思います。その問題に対する改善策ではないかと思われます。簡単にいえば,「応用」のレベルを下げた?

「アンコール」は歓迎したいですね。一年を三カ月ごとに区切り,第一四半期と第三四半期が同内容,第二と第四が同内容になるようです。入門・応用の配分は各言語でバラバラ。以前も本編で再放送をやっていましたが,「アンコール」という本編と別の形になることで複線化されています。

英語は,

  • レベルアップ英文法が消え,基礎英語が1~3になる(去年は1, 2)
  • 「英会話入門」,「徹底トレーニング英会話」,「英会話上級」,「ビジネス英会話」というラインナップが,→ 「ラジオ英会話」(遠山顕),「徹底トレーニング英会話」(岩村圭南 再放送),「入門ビジネス英語」(J.K. ギレスビー,島川洋一),「実践ビジネス英語」(杉田敏)になる
  • 「ものしり英語塾」は「英語ものしり倶楽部」に改名

こちらは中級レベルでの試行錯誤があるくらいで,あまり大きな改編とは言えないようです。NHKのネット利用はまだ端緒段階なので,こちらを期待したいですね。

個人的には,今年も杉田敏講座なのがうれしい(まあ,これだけ安定した人気だと,他の人はやりにくいだろうけど)。その他では,「ハングル」の小倉紀蔵(昨年後期)につづき,「ロシア」の黒田龍之助という売れっ子登用が楽しみです。といってもしばらくはVJ-10に録音するだけなのですが。

 

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by rickie | Posted in 外国語全般 | No Comments »

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