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「贈り物に文句を言うな」 Don’t look a gift horse in the mouth.

9月
2009
7
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ことわざの一種。

Don’t look a gift horse in the mouth.

直訳すると,「贈り物として贈られた馬の口の中をのぞき込むようなマネをしてはいけない」。

俺の歯なんか見てんじゃねえ!

俺の歯なんか見てんじゃねえ!

馬は歯の長さを見ると年齢がわかる,といいます(歳をとると歯茎が後退するらしい)。馬をプレゼントされて,さっそく口を開けて歯の長さを確かめるような恩知らずなことはしないように,というわけです。Oxford Advanced Learner’s Dictionary (OALD) では, look a gift horse in the mouth という項に, to refuse or criticize something that is given to you for nothing 「ただでもらったものを拒絶したり批判したりすること」とあります。「拒絶する」場合もつかうんですね。

 

look ~ in the face[eye] という慣用表現があります。「~の顔[目]を見る,~を直視する」という意味です。もちろん look at ~’s face のように言ったっていいわけですが,前の表現の方を使うことが多いでしょう。 catch him by the arm 「彼の腕をつかむ」, hit him on the head 「彼の頭をなぐる」など, V + O + 前置詞 + the 体の一部 という公式で,「腕のところで彼をつかむ」「頭のところで彼をなぐる」という表現法は,日本語では言わないが英語ではよく使われるタイプの表現です。 Don’t look a gift horse in the mouth.ということわざも同じ構造をしています。「口のところで馬を見る」ということになります。

 

Language Log という言語学者たちのグループ・ブログを読んでいると,このことわざをもじったフレーズに出くわしました。筆者 Geoff Nunberg はGoogle Books(グーグル・ブック検索: 書籍の内容検索)のメタ・データ(書名,作者名,発行年などのデータ)に間違いが多いことを問題にしているのですが,彼のグーグル批判に対して寄せられたコメントについての逆コメントです。

A number of people passed along their own experiences with flaky metadata. Others criticized me on grounds that could be broadly summed up as "Don’t look a gift horse in the server," "It’s better than nothing," "who needs metadata anyway?," …

「当てにならないメタデータに関する自分の経験を述べてくれた人も多い。また,私を批判している人もいるのだが,その理由は大枠で次のようにまとめられるだろう。いわく,"Don’t look a gift horse in the server," とか,「何もないよりいいだろう」とか,「メタデータなんて誰が使うの?」とか,・・・

批判者は,グーグル・ブック検索は革命的なシステムで,それがつまり「贈り物の馬」であり,あんなすごいものの小さな瑕疵をとやかく言うな,と言いたいのでしょう。グーグル・ブック検索の問題はさておき,ここは「馬の歯」だけを見ておきます。

Don’t look a gift horse in the server では「贈り物の馬のサーバーを見るな」となってしまいますから,かなり強引ですが,その強引さが笑えます。

 

 

このことわざの初出は,フレーズ検索サイト The Phrase Finder によれば(写真もここからいただきました),1546年のJohn Heywood の A dialogue conteinyng the nomber in effect of all the prouerbes in the Englishe tongue だそうです。

 

No man ought to looke a geuen hors in the mouth.

 

looke, geuen, hors, はいずれも look, given, horse の当時のつづりです。

 

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by rickie | Posted in 英語の落としもの | No Comments »

「同じくらい~」(ONE POINT at a time : Apr. 05)

4月
2009
5
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= いろいろな as (おまけ) 基本レベル = important

as ~ as … 「・・・と同じくらい~」。

誰でも知っている。以前にも取り上げたことがあるような気がする。でも,最近かなり英語のできる生徒の質問を受けて,「あっ,そういう誤解をしていたんだ」と思い知らされることがあったので,繰り返しになるかもしれないけれど,取り上げることにする。

 

as ~ as …  というのは中学校で習うレベルのポイント。誰でも知っているのに,でも案外まちがえる。なぜか。

おそらくas ~ as … 全体をワンセットの公式として覚えているが,全体で覚えているためにかえって前後とのつながりを見失ってしまうのだと思う。同じワンセットの公式でも so ~ that はあまり間違えない。so はこれ以外にもよく出てくる副詞だし,that も接続詞としてはポピュラーなのでそれぞれの働きが見えやすい。

生徒の疑問が出たのは,こんな感じの文だ。

 

Those who only care about the speed of reading have as little idea of what reading is all about as participants in a speed-eating contest can tell what the food tastes like.

「読書スピードしか気にしない人が読書の何たるかがわかっていないのは,早食い競争の参加者がその食べ物の味がどんなものなのかがわからないのと同様である。」

 

結論から先に言うと,as ~ as … において重要なのは,2つの as そのものではなく, 2つの as にはさまれた部分がどのような働きをしているのかだ。

上の文では,Those who … have little idea of ~ 「・・・の人々は~がほとんどわかっていない」が中心部で,「どのくらいわかっていないかというと・・・・・と同じくらいだ」と言いたいわけだ。二つの as にはさまれた little idea が have の目的語になっている。それを as ~ as … で囲うことによって,「・・・と同じくらい」と表現している。as ~ as … に気を取られて,中心が little idea が目的語であることを見失ってはいけない。

何度か触れたことだが,as ~ as … の1つめの as は「同じくらい」という意味の副詞,2つめの as は「・・・と」に当たる接続詞(時に関係代名詞)だ。「・・・と」の部分が不要なら(例:「彼も同じくらいの年齢だ」),2つめの as 以下を省略して,He is as tall. と言える。

中心部から逆に組み上げていくと,

He is tall. 「彼は背が高い」 → He is as tall. 「彼は同じくらい背が高い」 → He is as tall as she. 「彼は彼女と同じくらい背が高い」

となる。

 

as ~ as … 構文となんとなく似ていると思ってしまうかもしれない構文に,As ….. , so ~ 「・・・と同じように,~」という構文があるが,ぜんぜん違うものだ。この as は接続詞なので,後ろには S + V の完全文が来る。「同じくらい」という副詞の as は直後に必ず 形容詞・副詞(相当語句)が来る。

 

誤解は,文中の働きを考えずに,ただなんとなく日本語訳だけを覚えていることから生じる。「と同じように」と「同じくらい」は,日本語でもぜんぜん違うのだけれど,「同じ」に気を取られるとなんか似てるのかな,と思ってしまう。品詞に気をつける習慣をつけたい。

 

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by rickie | Posted in 英語ワンポイント | No Comments »

ガンへの道をスパスパと (ONE POINT at a time : Mar. 12)

3月
2009
12
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= 動詞 + one’s way =

今回のポイントは単純で,「熟語です」のひとことで片づけてもいいのだけれど,「生産性がある」熟語,つまり話し手・筆者が自分でそのパターンを使って新しい熟語を作り出すこともできるような熟語です。

動詞 + one’s way + 方向を表す副詞句 「Vして,・・・へと進む,向かう」

これだけ。

このタイプでいちばん無色に近いのが,

make one’s way to[toward] ~ 「~へ進む」

という熟語です。

I managed to make my way to the counter. 「なんとかカウンターのところまで進んだ。」

さらに,この熟語の make のところを他の動詞に変えると「Vして[しながら]進む」というように,「進む」という意味を保ちつつ,ニュアンスが少し変わる熟語を作り出せます。たとえば,push one’s way だと「(人を)押し分けながら進む」, grope (手探りする)を使えば, grope one’s way 「手探りで進む」となります。

COBUILD 英英辞典での説明は,こんなかんじです。

You use way in expressions such as push your way, work your way, or eat your way, followed by a prepositional phrase or adverb, in order to indicate movement, progress, or force as well as the action described by the verb.

「push your way, work your way, eat your way のような表現と,それにつづいて前置詞句や副詞を置けば,その動詞で表される行動とともに,運動,進行,無理やりの前進などを示すために使うことができる」

自分で造語することも可能なほどいろいろな動詞と組み合わせることができます。「進む」を出世・成功などの比喩的な意味で使うことも多いようです。「ジーニアス大英和辞典」に載っている例では,

  • elbow [shoulder, thread, wheel] one’s way 「ひじで押して[肩で押して,縫うように,車で]進む
  • struggle [force, push, thrust] one’s way  「もがくように[押して]進む」
  • pick [work, labor] one’s way   「用心して[骨折って]進む」
  • steal one’s way 「こっそりと進む」
  • muscle one’s way   「強引に押し進む,強引に割り込む」
  • feel [grope] one’s way in the dark   「暗がりの中を手探りして進む」
  • laugh one’s way through life 「笑って暮らす」
  • study one’s way to academic fame 「研究で学問上の名声を博する」

どれも way には必ず所有格が前につくことに注意してください。たとえば, make one’s way は「進む」ですが, make way (for ~) だと,「(~に)道を譲る」の意味です。他人に道を作ってあげる,ということになります。

【 問題 】

1. かっこ内に入れるのに適切なものを選びなさい。

They (      ) the crowd and onto the train. (湘南工科大)
  1.pushed their way through     2.pushed through their way

  3.pushed their through way     4.pushed way through their

 

2. 日本語の意味になるように,かっこ内に1語入れなさい。(学習院)
彼は人ごみの中を押し分けて進んだ。
He elbowed his (               ) through the crowd.

 

3. 下のうちから適切なものを選び,語形を変化させてかっこ内に入れなさい。
He (               ) his way up the political ladder to the highest position in the land. (立教大)
   close      escape     finish   give     live     make

 

← 【 答 】

 

むかし, Smokers are puffing their way to cancerous death. という表現に出会ったことがあります。「喫煙者は,スパスパと癌で死に至る道を歩んでいる」 ( puff は「(息や煙を)出す,吹く,プカプカやる」)

うまい表現だなぁー。そうつぶやきながら,感心していつものように手元のタバコに火をつけました。

 

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by rickie | Posted in 英語ワンポイント | No Comments »