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高校・塾・予備校の授業の予習と復習(2) 予習

4月
2008
21
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予習はどうやるか

予習は辞書・参考書などを何も見ずにやるのがいいと思っている人が意外に多いのですが,そうとは限りません。入試本番と同じ条件で問題に取り組む練習は必要ですが,そういう練習は秋以降に徐々に増やしていけばいいことで,最初からテスト形式の予習である必要はありません。特に長文の場合,平均して1行に1つ以上わからない単語があるなら前後関係から意味を推測するのはかなり困難なので,むしろ辞書を引きながらじっくり読む練習の方が長期的には実力になります。

もちろん,単純な単語の意味問題(文法の単語問題や,長文の中の「同じ意味のものはどれか」のような問題)は,辞書を引いてしまうと練習になりませんが(そういう問題は,文脈からの意味推測力をためしています),それ以外の問題では辞書を使って予習するのはむしろおすすめです。

ただし,問題点もあります。問題は,何でもかんでも辞書を使って予習をすると時間がなくなってしまうこと,予習=辞書調べに終わってしまうこと,です。そういう場合は,「この単語がわからないと,先に進めない!」というような単語に絞って,そこだけ辞書を引くことにすればいいでしょう。もっともどの単語が大事かを見分けるのも実力がないとできないことですが。

勉強は,予習 → 授業 → 復習 というセットをワンサイクルとして進みます。だから,理想的なことをいえば,予習や授業の時点で,復習の際にどのように勉強を完成させるかまで考えておくと,あとで楽です。復習が勉強の完結編になるので,予習と授業はそこへ向けた準備作業であり,あらかじめうまく復習できるようにしておくわけです。

 

文法の予習

文法問題の予習は,問題を解けばいいわけですから,予習方法についてはあまり悩む必要はないように見えます。ただし,文法問題はクイズではありません。あっていた,ちがっていた,という結果よりも,なぜ自分はその答えにしたのかが大事です。授業・復習との連携を考えて,

  1. その問題のポイントは知っているし,答えにも自信がある
  2. 出題されているポイントはうろ覚えだったり,自信がないが,たぶんこれが答えかな
  3. まったく手も足も出ない

などに分類し,✔△〇などのマークをつけておきましょう(1 タイプの問題が✔)。もちろん1. の問題でも授業で違っていることがわかったら,〇に変更します。復習の時点でもう一回やり直すときには,〇印の付いた問題に重点を置きます。

何を理解していて,何がわかっていないのか,わかっているつもりになっているが本当に分かっているのか,そのへんをできるだけはっきりさせることが予習の目標です。

 

読解の予習

学校のリーダーと,塾・予備校などの長文総合問題とではやり方が変わりますが,問題形式になっている場合,上で述べたように,辞書を引かず時間を計ってテスト形式でやるのは,2学期(後半)からで大丈夫です。ふだんは1 ~ 2 時間かけて辞書を引き引きじっくり取り組んでいいですが,逆に時間がない時にテスト形式予習に切り替えてみるのもいいでしょう。辞書の使い方については,辞書・電子辞書の使い方 (2) 英和辞典 その2 を参考にしてください。

 ● まず全体を俯瞰ふかんする

入試問題など設問のついている長文であれば,どんな設問があるか目を通す必要があります。解答形式(記述問題はあるかなど)や設問のタイプ(下線部読めば答えられそうか,全体を読まないとできそうもないのか)などもいちおう頭には入れておきたいですが,それよりも読解上の手がかりになりそうなものを探してください。長文の最後には出典・タイトルや語注がある場合があります。設問が内容のヒントになる場合もあります。

次に,各パラグラフに段落番号を付けておきましょう(小説文の場合は不要)。各段落の最初の文が簡単に読めそうなら,各パラグラフの最初の文だけ拾い読みして,全体の見取り図を頭の中に作成するという読解法( first-sentence reading )もあります。段落の最初の文はその段落のテーマを述べることが多い,という事実にもとづいた読み方です。

 ● 次にパラグラフを俯瞰する

わからない単語が1行に1 ~ 2個以下であれば,1つのパラグラフを辞書を引かずに強引に読み切ってから,最初に戻って一文ずつ読むことがお勧めです。パラグラフを読み切ることで「for example とあるから,ここは例だな」「however が出てきたので,前と逆のことを言っているな」という流れが漠然とつかめればOKです。

 ● 精読段階

一文一文の精読で,いちばん避けたいのは「単語の意味をなんとなくつなげて,なんとなく文の意味を想像する」という習慣をつけてしまうことです。実は英語で伸び悩む人(つまり大多数の生徒)はそういう習慣をつけてしまっています。高校入試はそれで乗り切れても,大学入試は無理です。今までそれでうまくいったとしても,一度そのやり方を忘れてください。

なんとなくフィーリングで理解するのをやめるとしたら,どうしたらいいのか。もう分かってると思いますが,英文の構造を理解することです。S とか V とか O とか C とか,どれがどれにかかっているとか,ここで切れてるとか,ここまでひとまとまりであるとか,文法の授業で習う知識を長文に生かすことです。文法の授業で習うことといっても,そんな細かい知識が必要なわけではありません。英文の構造を理解するためには,どのようにSとVとOとCと修飾語という5つの部品が,まとまる-切れるの関係を作っているかを理解すればいいだけです。この太字の部分が英文の構造というものです。文法ではこまかいことばかり覚えさせられますが,読解で必要なのはこのマクロ的文法です。

予習をどこから手をつけていいかわからなければ,まずこのS, V, O, C を文の上に書き込んでみてください。はずれているかもしれませんが,授業ではその部分をしっかり聞けばいいだけです。切れ目にはスラッシュ(/),まとまりは (   ), [   ], {   } などでくくってみましょう。それだけでも予習の第一歩になります。

 ● 全文和訳は必要か?

昔は(といっても10年くらい前)は,やっている生徒が多かったのですが,最近はめっきり減ってしまいました。訳読中心主義に対する反動から教え方が多様化したこと,生徒(教師も)のメンタリティーの変化のため一文一文の精読という労多い作業が嫌われがちであること(あるいはいわゆる学力低下)などが原因でしょう。もちろん,学校などで先生からやるように指示が出ていればやるべきでしょう。やって損にはなりません。

特にそういう指示がないのであれば,ノートに全訳することまでは必要ないでしょうが,ひとつひとつの文をじっくり読んでいく(頭の中で訳す=理解する)ことは必要です。いわゆるパラグラフリーディングは,文と文,段落と段落の関係性を読み取ることですから,文のレベルで読めていなければ,あまり有効な武器にはなりません。

● 理想と現実

予習 → 授業 → 復習 というサイクルに慣れてきて,英語もだいぶ読めるようになってきたら,当然予習のやり方が変わってくるかもしれません。入試が近づいてきたら,テスト形式での予習を増やしていくことも必要でしょう。もちろん,自分で編み出した予習法を守っていくのも悪いことではありません。

特に,秋ごろからは,地歴・物化などの遅れのために英語に時間が使えなくなってくる場合もあります。といって,英語から完全に離れてしまうのは危険です。予習の負担を減らして,授業+復習中心にするという手もあります。

ケースによりさまざまですが,いずれにせよ,浅い予習と深い予習を必要に応じて組み合わせていくのが最善の策だと思われます。

  • 浅い予習   テスト形式で時間を計って問題を解く。問題形式によってかなり異なりますが,一般的には長文の長さがB5版のテキスト1.5ページ程度であれば,20 ~ 30 分くらいが目安。和訳問題など,単語がわからないと白紙になってしまうようなものに関しては,最小限の範囲で辞書を引く。
  • 深い予習   時間の許す限りで,辞書を引きながらじっくり取り組む。わからない部分には実線のアンダーライン,自信のない部分には点線のアンダーラインなどのマークをつけておく。パラグラフごとに余白に内容要約メモをつける。内容真偽問題(「本文の内容と一致するものを選べ」型)では,なぜそれが正しいのか,それ以外が間違いなのかの根拠となる本文中の行番号を書いておく(「l. 15 の~と矛盾する」のように)。結局この長文は何が言いたいのか,を常に考えながら一文一文を読んでいく。

本当の理想は,まず浅い予習をやってから,深い予習をやるという,予習を2回(!)やることなのですが,現実的には不可能でしょう。浅い予習と深い予習の中間くらいで,自分にあった方法を見つけるのがいいと思います。

 

英作文の予習

英作文の場合,予習をしてみてまったく英語になってない文を書くようなら(と教師に言われるのなら),予習はむしろしない方がいいかもしれません。英語の構造を踏まえないで単語を羅列する習慣をつけてしまうと,そこから脱却するのに苦労するでしょう。復習だけでも英作文力をつけることはできます。(復習の項参照)

英作文は数学のように公式に数をあてはめて計算すればできるというわけにはいきません。自分が正しいと思う単語を,文法的に正しいと思えるやり方で組み立てればできあがり,というわけではありません。理屈の上でいくら正しくても,ネイティブの人に「そんな言い方はしません」と言われたらおしまいです。だから,英作文の勉強法としては,ゼロから文を組み立てるのではなく,英語でよく使われる表現パターンのストックを増やしていくことが前提になります。このストックが少ないうちは,簡単な問題以外は予習に重点を置かなくてもいいでしょう。

ある程度英語になっている文が書けるなら,予習は有効ですし,先生が添削してくれるような環境があれば一番理想的です。もっとも,添削されて返って来た答案をじっくりチェックする生徒が少ないのは残念です。

予習の上で大切なのは,自分で自分の書いた英文のまちがいを見つける目を作ることです。大半の生徒の英作文の答案は,基本的な間違いを含んでいます。S – V といった英語の根本的構造がこわれている,動詞の形が間違っている(3単現に -s がついていない,take の過去形が taked になっている,受け身にしなければいけないのになってないなど),というような間違いが,採点者としてはいちばん減点しやすい間違いです。書きながら,または書き上げた後で,文法の正誤問題と同じように自分の答案の間違いを探す習慣をつけてください。a にすべきか, the にすべきかなどはむずかしいのですが,書くときに常に意識するようにすればすこしずつわかってきます。なお,和英辞典の使い方については,「辞書・電子辞書の使い方 (3) 和英辞典」を参考にしてください。

 (3) につづく

 

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by rickie | Posted in 未分類 | No Comments »

高校・塾・予備校の授業の予習と復習(1)

4月
2008
19
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授業の予習・復習をどのようにやっていったらいいのかを考えてみたいと思います。

言うまでもないことですが,学校や塾・予備校の先生から予習・復習についての指示があれば,その先生の指示に従ってください。授業あっての予習・復習ですから,授業の方針と矛盾するような予習・復習にはあまり意味がありません。特に指示がない場合や,指示がよく理解できない場合にはこのページを参考にして自分なりの方法を試行錯誤していくといいと思います。

 

そもそも予習・復習は何のためにするのか

予習は,授業で教わるはずのことを先回りしてやっておくことではありません。その日に授業でやるはずの問題を解いたり,長文を読んだり単語を調べたり,ということは大切ですが,心構えとしては,その授業で自分は何を学ぶべきなのかをはっきりさせることが予習の第一の目的です。特に予習慣れしてくると,ただ漫然と事務的に課題を消化するだけになってしまいがちです。自分に何が足りないのか,何を身につければいいのかをいつも問いかけてください。

復習は,もちろん,授業で学んだことを,あるいは学びそこなったことを,もう一度見直して定着させる,つまりしっかり身につけるためのものです。しかし,一回復習してすべて身につくなんて人は100人にひとりもいないでしょう。ですから,予習はふつう一回しかしませんが,復習は数回やる必要があります。といっても,同じことを何回もやるのではなく,身についたことはとばして,身についていないことを選択的・重点的にやることになります。

予習でも復習でも,何がわかっていて何がわかっていないのかを自分に問い詰めることが大切です。ぜんぶわかんない,という人がよくいますが,そんなことはありません。たぶんきっと,何がわかっていないのかがよくわからないということです。そしてそういう人は,学習している分野を区切って,どこまでわかっているのか,どこから少しわかんなくなったのか,どこから全然わかんなくなったのかをはっきりさせる努力をしてください。

勉強していけば途中で,今まで大丈夫だと思っていたことが不安に思えたり,わからないと思っていたものがいつのまにかわかっているということもあります。そういう時には方針を修正しましょう。自分が決めたやり方を,思い切って変えることが必要になることもよくあります。あまり自分を型にはめず,柔軟に勉強法を変えることも大切なことです。

 

予習と復習のどちらに重点を置くべきなのか

やり方にもよりますが,一般的には,力のある人は予習重視,まだまだの人は復習重視,と言われてきました。最近ではあまり予習,予習とうるさく言うと,生徒が引いてしまうので復習重視に方針転換したという予備校の先生もいますが,予習をするとしないとでは学習効果に差が出てしまうのは確かでしょう。

ただ,英語,とくに英文読解・長文の授業に関しては,そもそもある程度の実力がないと予習に手をつけることさえ不可能です。単語調べというものもありますが,単語調べは予習の前段階とでもいうべきもので,知らぺた上で文章の意味を読み取る努力をするのが長文の予習です。和訳を作って授業に臨むというのは,すばらしい努力ではありますが,あまりに読めていない和訳の場合は,かえって無駄な努力になってしまうこともあります。予習の段階で,頭の中で和訳しながら読もうとしても全くダメな場合は,復習重視に切り替えてかまわないと思います。

その点,文法系の予習は,問題を解くことが中心になりますからやりやすいのですが,逆に復習の仕方を見失ってしまいがちです。つまり,自分で出した答えが合っていたら,それで終わりになってしまい,その問題は復習をしない人が多いようです。でも,それではまったく同じ問題が出た時にしか対応できません。復習はその問題を通じて学ぶことであり,その問題を学ぶことではないのです。具体的には後で述べますが,文法系はサラッと予習して,ジックリ復習するぐらいがちょうどいいと思います。

 

予習・復習の理想と現実

あれもこれもと欲ばっても,現実には時間が限られています。時間が無限にあるならば「こういう予習・復習をすれば確実に伸びる」ということも言えるでしょうが,現実には無理な注文になってしまいます。

人によっていろいろなケースが考えられるのですが,塾に通いながら勉強していると仮定すると,学校と塾の勉強だけで手いっぱいになるのがふつうです。その上で,現実にはどのくらいの時間勉強できるのかを考えてみましょう。

  • まず,一週間のフリーの時間の予定表を作成してみてください。その目的は授業や部活や雑用以外にどれだけの時間が与えられているのかをもう一回考えることです。だから,まだ何曜日に何をやるなどを記入する必要はありません。すでにふさがっている時間,つまり予習や復習や自習に使えない時間をはっきりさせるのです。あまり,きっちり予定で埋め尽くさないようにすることが大事です。できるはずもない計画を立てても無駄です。アバウトに考えてください。
  • そのあいている時間のうち5分の1くらいは予備として,空白にしておきます。予備の時間は,計画通りにいかなかった場合の調整用の時間です。計画はたいていうまくいかないものですから,調整用の時間をあらかじめ用意しておくことで,未達成の計画を少しでも達成に近づけるようにします。
  • こうして,学校(部活も含む)+塾の授業以外で使える,自分の勉強用の時間が1週間に何時間あるのかを算出し,その上で予備時間(20%)を引きます。たとえば,1日に1.5時間,土日にはそれぞれ4時間あるとすれば, ( 1.5時間 × 5 + 4時間 × 2 ) × 0.8 = 12.4 時間となり(計算の都合上,小数点以下四捨五入して12時間),これが1週間で使える自分用勉強時間です。これを各科目に配分し(たとえば 英語6, 現代文1, 古文2, 日本史3 あくまでも例です),さらに英語のうちで宿題・予習・復習・単語熟語の暗記・自分でやる問題集などに時間を振り分けます。これが最終的に予習・復習に与えられた時間ということになります。この時間で何ができ,なにができないかを冷静に考えてください。
  • 現在の実力と志望校と時期によって変わりますが,たとえば私大文系なら時間の50%は英語,私大理系なら50%が数学,というのが目安でしょう。
  • 予習と復習とに振り分ける割合は,実際に何回かやってみなければ決まりません。とりあえず半々くらいにして計画を実行していき,2 ~ 3 週間後に再調整するのがいいでしょう。 計画ははじめから完全なものを作るのではなく,実行しながら計画を少しずつ作っていく方がいいと思います。
  • この計算は,時期によって変わってきます。塾の科目を増やしたり,部活を卒業したり,文化祭などの行事に時間がとられたりと,コロコロ変わるはずですが,そのつど計画を立て直すのがおすすめです。一時的なことだからと油断していると,だらだらと時は過ぎてしまいます。
  • ただし,繰り返しになりますが,キッチリした(たとえば分単位の)計画は立てる必要はありません。芸能人の場合のように分単位であなたを拘束してくれるマネージャーはいません。マネージャーがいなければ自分で自分を律するしかなく,しかしそんなきつい律し方は長続きするものではないので,余裕をもった計画が必要です。
  • パターンを作る,そしてそのパターンを自分で壊す,またパターンを作りなおす,時にはわざとパターンからはずれてみる,こういう計画の方がクリエイティブだと思います。

さて,その与えられた時間で何をやればいいのでしょう。次にそれを考えます。

 (2) につづく

 

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by rickie | Posted in 未分類 | No Comments »

英作文の憂鬱

2月
2008
28
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大学入試には「和文英訳」という出題がある。「次の日本語を英語に直しなさい」というタイプの出題だ。近年,和文英訳の出題は減る傾向にある。出題されても比較的やさしいものが多くなってきている。東京大学も以前に比べればウソのように簡単になっている。とはいえ,国公立大の出題の中にはかなり苦労するものもあるし,京都大学のように従来と全く変わらない,くそ難しい和文英訳を出題し続ける大学もある。

こういう問題では,日本語の細かなところまで,英語に盛り込むことが暗黙の前提になっている。通常,入試の採点は加点式ではなく減点方式,つまり生徒のいい面を見つけて点をあげるのではなく,だめなところを見つけてマイナスする方式だから,理想的な答案を書いた生徒に満点をあげるとすると,何かが欠けていたり,ミスっていたりすると減点になるわけである。

和文英訳問題は確かに,生徒の能力が如実に表れてしまう。生徒の英文を見れば,見事な英語になっていることもあり(たまに,ですけどね),そういうのを見るとこちらもうれしくなるし,その時「この子は受かるだろうな」と思った予想はたいていはずれない。

しかし,そもそも他人が書いた日本語を英語に直すという能力を問うことが必要だろうか?英語の文章を書くのであれば,はじめから英語で書けばいい話で,一度日本語で書いてから,そのニュアンスまで含めて余すところなく英語に直すという作業は,控え目に言っても無駄が多いと言わざるを得ない。

そういうわけで,和文英訳の出題が減る一方で増えているのが「自由英作文」問題である。国公立では出題されるのが当たり前になりつつある。私大でも,早稲田(法・国際教養),慶応(経済,医),青山(文,国際政経)など増加中である。

「自由英作文」とは,その名に反してちっとも自由ではなく,ある与えられたテーマについて英語で文章を作成せよ,というものだ。「高校時代に読んだ本で一番感銘を受けた本について英語100語程度で書け」「携帯電話のマナーについて」などから,一コマまんがを載せて,それを説明せよとか,中程度の長さの日本文や英文を英語で要約せよ,とかいった出題である。英文を書く能力を問うというのであれば,こちらの方が理想に近い。人が書いた日本語を英語に直すのではなく,構成から個々の文まですべて自分で組み立てなければならないのだから。

しかし,出来上がった答案を見ると,はっきりいってあんまりおもしろくない。みんな内容は似たり寄ったりだし,ひとつひとつの英文もなんだか中学英語レベルの文の羅列になってしまいがちだ。もちろん試験場で限られた時間内に,そんな見事なエッセイや論文を書くなんてことは不可能なのだが,せめて練習の段階ではもう少し工夫なり苦労なりをしてほしいのだが。

あまり英語を書く力がないうちに「自由英作文」に取り組んでも力は伸びないと思う。むしろ,足かせが効いている和文英訳問題の方が個々の英文を磨き上げて作っていくという点では練習になるのかもしれない。短めの日本文を正確に訳す,この力がついてから「自由英作文」に取り組んだ方が勉強の効率としてはずっといい。京都大学の問題のような,いかにも日本語らしい表現を含んだ文を訳すレベルまでは必要ない(これも何度か取り組むといろんな意味で参考にはなる)。

入試でも「和文英訳」を出題するなら,短くて細かなニュアンスをできるだけ含まない文を20題くらいまとめて出題してみてもいいのではないか。中途半端な自由英作文やプロの翻訳者にしか訳せないような問題を出してもそれほど意味はない。本格的難問を出題するのであれば,いっそ辞書使用可,時間無制限にすればいいと思うのだが。

 

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by rickie | Posted in その他(高校生向け), 英語の世界(一般向け), 高校生向け | No Comments »

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